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ブランディング、デザイン、およびShopifyを利用したEC制作事業「TUNA EC」を展開する企業様。2023年当時、「営業活動の属人化」と「商談情報が一切蓄積されていない」という深刻な課題を抱えていました。
STRIXの導入により、属人的な仮説ではなく「事実」に基づいた議論が可能となり、サービスメニューの改善や営業戦略の精度向上に繋がったと言います。
今回は、営業プロセスの改善を推進された田渕様に、録画文化の醸成からSTRIX活用に至るまでの背景と、データ活用による組織変革のプロセスについて伺いました。
「営業活動の属人化」が生んだ組織の対立
― 2023年当時、組織としてどのような課題を抱えていらっしゃいましたか?
田渕様:
いわゆる、営業活動の属人化という課題がありました。
創業者含むボードメンバーが担当する案件は売れるが、営業メンバーが担当する案件が売れないということが起こっていました。
2022年ごろに「TUNA EC」というShopifyを利用したEC制作事業を立ち上げたのですが、一度商談をしても、営業メンバーが担当する案件だけが受注できないということが起こっていたんです。それに対して「営業の説明の仕方が悪い」と改善を求められていた状況でした。
後からわかったのですが、ここにはボードメンバーと現場の営業活動に対する「捉え方」が違うという背景がありました。
― 経営陣と現場の「捉え方の違い」というのは、具体的にどのような内容だったのでしょうか?
田渕様:
実は、事業の立ち上げ当時は「制作側でよしなに対応するからとにかく売ってこい」というスタンスがあったのです。Shopify機能面の細かいカスタマイズ可否だったり、リリース後の支援内容だったり、サービスとして私たちが提供する詳細をあえて決めきっていませんでした。
でも、それはボードメンバー陣をはじめとした、すでに実績と信頼関係がある人が売る場合の話なんですよね。「細かいことは語らず、この人たちに任せて大丈夫だな」と思ってもらえる。名前も通ってますし、実績もある。業界での繋がりや、過去の取引関係もある。
でも、どこの誰でもわからない田渕がやったところで絶対売れないじゃないですか(笑)。「とりあえず信じてください」なんて、実績のない人間が言っても通用しません。
ボード陣の案件 | 営業現場の案件 | |
|---|---|---|
顧客との信頼関係 | ある | ない |
受注前の要件確認 | 大まかな目線合わせ | 細かい合意形成 |
受注リードタイム | 短い | 長い |
だから、ちゃんと正面から戦うには、要件をしっかり聞いて整理して、フェーズを切って、「これでやりましょう」と具体的に提示できるようにしないといけない。
だから、まずは商談の中でどのようなやり取りがあって、どのような提案をしているのか?過去の情報を洗い出すことから着手しようとしたんです。
でも、その基礎となる顧客情報が全くありませんでした。
情報がゼロの状態で始まった、属人化解消への取り組み
― 「情報が全くない」とは、具体的にどういう状態だったのでしょうか?
田渕様:
これが本当に深刻でした。私がジョインした2023年6月の時点で、それまでに行われた商談情報が全く蓄積されていなかったんです。
前任の営業メンバーが対応していたはずの商談情報は、その人の頭の中にしかない。ところが本人も「あまり覚えていない」「説明しても要点がない」という状態で。
営業戦略を立てるにも、サービス改善の優先順位を決めるにも、意思決定に必要な情報がゼロ。全てが「こうじゃないか」という仮説で空中戦をしている状態だったんです。
― そうした課題を解決するために、録画文化の創出から着手したと伺っています。
田渕様:
はい。当時、最大のボトルネックは「情報の属人化」と「情報が蓄積されていないこと」だと捉えていましたので、ならばまずは商談の録画だと。
これはもう、半ば強制的に対応を進める形になりました。商談がどうだったか?という話に進む前に、録画をしたのか?からスタートして、厳しく言及しました。
そうして、いろんなお客さんと商談をしていく中で、ようやく言語化・数値化ができ始めて、「この辺だな」というのが見えてきた。でも、それまでの商談情報は完全にロストしている状態だったんです。
もしあの時点でSTRIXがあったなら、このサイクルはめちゃめちゃ早まっただろうなと思います。
STIRXで実現できた「定性情報のデータベース化」
― STRIXの導入を決めた背景についてもお伺いできますか?
田渕様:
商談の録画が残るようになってくると、今度は録画の中身を確認する工数が課題として上がってきたんです。具体的には、次のような背景がありました。
営業メンバーから共有される情報粒度が粗く、属人化解消のための証跡として活用できない
報告内容と実際の商談内容に、ズレがある場合が散見される
商談情報がSFA/CRMに登録されない、登録してもメモ書き程度で活用できない
そうすると、ただ録画をするだけでなく、録画内容からその都度必要な情報を取り出すことが求められるようになりました。毎回録画をすべて確認する時間はなかなか取れなかったんです。
そう思っていた矢先に、必要な情報を・必要な観点で・好きなタイミングで取り出せる仕組みがあり、商談内容を自動でCRMに登録してくれる仕組みがあることを知って、STRIXに興味を持ちました。
― STRIXの利用を始めてみて、営業部ではどのようなことができるようになりましたか?
田渕様:
すべての商談情報が「文字起こし」というもっとも細かい粒度の状態でデータ化されており、それが営業管理上必要な観点でSFA/CRMに自動連携され、好きなタイミングで分析にかけられるようになった。一言で表すと、このような具合に状況が変化しました。
誰がどんな課題を持っていて、どんな会話をしたのか。それが全て記録として残り、いつでも振り返れる。これによって、ようやく「データに基づいた議論」ができるようになりました。
例えば、「お客様のこういう課題に対して、この提案が刺さった」「逆にこういう要望には応えられていない」といったことが、実際の商談記録をベースに議論できる。
これまでは「お客さんってこういうこと考えてるんじゃない?」という仮説でしか話せなかったのが、「実際にこういう会話があった」という事実ベースで話せるようになったんです。
― サービス改善にも活用されているのでしょうか?
田渕様:
まさにそこが重要で。STRIXで商談情報が蓄積されることで「お客様からどのような質問を、どのような粒度でいただくのか」事実ベースで経営側に提示できるようになりました。
もっとも効果があったのは、お客様の職種によって求められる機能拡張パターンを体系化し、事実ベースでサービスメニューを整理できたことです。
例えば、食品を扱うECならば「三温度帯」への対応が求められることが多く、あらたにアプリケーションを用意しておくことで、商談時点で提案ができるようになりました。
あるいは「日本の商習慣に合わせた販売管理フローにカスタマイズしたい」という要望に対しては「システム改修しようとすると xxx円ほどの予算がかかるので、代わりにこのようなオペレーションで代替するのはどうか?」など、社内で事前に提案のルールを決めることができるようになり、結果としてお客様からの信頼を獲得することに成功しました。
組織全体での情報共有が変えた、意思決定のスピードと精度
― 情報が蓄積されることで、組織に対してはどのような影響がありましたか?
田渕様:
劇的に変わりました。特に、経営層との議論の質が全く違います。
以前は「売れない理由」について、お互い主観や仮説で話すしかなかった。「営業の説明が悪い」「いや、サービス設計の問題だ」みたいな水掛け論になりがちでした。
でも今は、STRIXに記録された実際の商談を見ながら、「この商談ではこういう理由で失注している」「こういう提案内容だと受注に繋がりやすい」といった具体的な議論ができます。
― 営業戦略の立案にも影響がありましたか?
田渕様:
はい。営業部長と私で進めていたKPIツリーやボトルネック分析も、STRIXによって格段に精度が上がりました。
商談の数が増えていく中で、定量データと定性データの両方が揃ってきた。「どのフェーズで失注が多いのか」「どういう顧客層に刺さるのか」といったことが、データで見えるようになったんです。
結果として、やっと「この辺だな」という解像度が上がってきて、より効果的な営業戦略を組み立てられるようになりました。
今後の展望ーさらなる成長を支える情報基盤として
― 今後、STRIXをどのように活用していきたいとお考えですか?
田渕様:
大きく二つあります。
一つは、各取引に対して、より正確な情報を取得することで、注力/非注力といった優先度を立てにいくことです。より戦略的に営業活動ができるようになったことで、今度は効率性が求められるフェーズに移行しつつあります。着実に受注していくための取り組みとして、ここは是非チャレンジしていきたいと思っています。
もう一つは、営業だけでなく、組織全体での情報活用です。特に弊社の事業はECサイト制作という特性上、商談時に合意した情報を正確にPMへ引き継ぐ必要があります。その点では全ての商談内容が蓄積され、活用可能な状態で残っているSTRIXの環境が大いに役立つのではないか?と考えています。STRIXを起点に、事業全体の意思決定の質を高めていきたいと考えています。
― 最後に、導入を検討されている方へメッセージをお願いします。
田渕様:
情報がない状態での議論は、本当に時間の無駄です。どれだけ優秀な人が集まっていても、データがなければ仮説の域を出ない。
商談情報が蓄積されることで、初めて「事実ベースの議論」ができるようになります。特に、創業メンバーの属人的な営業から組織営業に移行するフェーズの企業にとっては、早めに導入することで、成長のボトルネックを解消できのではないでしょうか。






